(2013年11月28日にアップした内容です)

9月 19日、11月21日の2日にわたり、笠間市の介護保険利用調整会議にお邪魔してケアマネージャーさんにお話をする機会を頂きました。内容は、コウノメソッドの理論に基づいた『認知症の診断・治療』について。以前からお話するチャンスを切望していたので、渡りに船です。

なぜこのタイミングでケアマネージャーさんなのか?

それは、地域で潜在的に治療を必要としている患者さんを病院に連れて来て頂くためです。私がいくら何とかしたい!と診察室の中で焦っても、ご本人や家族の方がもの忘れ外来の存在を知らず、またどうせ治療したって…とあきらめていれば、受診して頂くことは出来ません。認知症にまつわる諸々の症状で困り介護保険のお世話になる時に相談役となるケアマネージャーさんなら、そのような方に受診をお勧めできる立場にあります。

ケアマネにSOS

1回目の勉強会では診断編と題して、認知症の診断そのものに頭部CTは必要でないこと、認知症のタイプ鑑別にはCTが役に立つが、症状と身体所見でかなりいい所まで絞り込めることを説明し、タイプ別の典型的な症状をイラストを交えてお示ししました。1回目の狙いとしては、私のような若造と比べ物にならないほど沢山の認知症患者さんと接した経験を持つケアマネさんが、「毎日見ている〇〇さんは、レビーだったんだ!」と気づいて頂くこと。そして介護スタッフどうしでこっそりと「あの方の興奮は、どう見てもピック的だよね…。」と仮診断を下した上で、受診された際に、診断に重要なエピソード(診察や検査を渋った、万引きのエピソードなど)があれば教えて下されば理想的…です。

2回目は治療編。認知症の考え方の大筋(家庭天秤法など)を示し、タイプ別の治療方針について説明しました。そして最後に、「ありがちだけれど患者さんを追いつめる治療のチェックリスト」を作り、他院でこんな処方を受けていて病状がよくならず困っている方がいれば、ぜひ病院を受診させて下さいとお願いして締めくくりました。

反応は…手前味噌ですが、とてもよかったと思います。多くの方がうんうん…と頷きながら一生懸命聞いて下さいました。終わった後に鋭い質問もあり、「この病院を近いうちにやめる予定はないのですか?」という癒し質問もあり。(あ、でもいきなりいなくなられると確かに困りますよね。)

終了後に頂いたアンケートでも、私の知って頂きたい!と強調したポイントが、きちんと理解されていることを感じました。また『認知症の方を担当して困難なケースはありましたか?』という質問に対し、33名中29名が『あった』と答えていたのが印象的です。その具体的な内容を読むにつけ、現場の切実さがひしひしと伝わってきて、大急ぎで対応しなければ…と感じました。『今回のような有益な講座をまたお願いします』という要望もあり、春には続編も検討されているようです。ありがたやありがたや。

今回の試みは、以前河野先生が展開された『知立(ちりゅう)作戦』にならっています。認知症治療について一生懸命情報発信をしていても、医師がさっぱり動かない。それならケアマネージャーだ!!ということで、ケアマネージャーさん向けの勉強会を行い知識を普及したところ、認知症の症状や治療に詳しくなったケアマネージャーさんが、治療が必要な患者さんを河野先生の所にどんどん連れてくるようになった…中には来る前から診断をつけて、明らかに有害と思われる薬を調整するスーパーケアマネさんもいるとか。私はこの話を読んで、突破口を見つけようという情熱、考え方の柔軟さに、感動しました。