(2013年7月9日にアップした内容です)

診療をしている自分がやりがいを感じられて、何よりも目の前の大切な患者さんや家族に喜んで頂ける治療方法と出会ったのだから、もうやるしかありません。いつやるの?今でしょ!!と言うことで、先日ついにアクションを起こしました。不勉強な自分が先生の言うことを一通り理解できるようになるまでに、それでも数ヶ月間の時間がかかったのです。早く学んだことを現場にフィードバックしたいと逸る気持ちを抑えながら6冊の著書と3本のDVDを見て1冊のノートにまとめていく時間が、とてもとても長く感じました。

コウノメソッド教科書

院内の先生方、事務長、薬剤師さんにお話をして、7月2日と9日には院内全体に知識を共有してもらうための勉強会を開きました。新しい試みですし、煩雑な業務が加わるセクション(ダントツ1番は薬剤科です。)もあるので多少の抵抗は当然、と荒波にもまれる覚悟をして挑みましたが、院内で予想以上に温かく迎えられたことに逆に驚いています。薬剤師の松本さんは、私のコウノメソッド話を面白そうに話を聞いてくれる達人で、早速河野先生の本を注文してくれたほどの強力な援軍第一号です。そして勉強会を聞いた看護師さんが何人も「具体的で面白かった!」と言ってくれた時も、非常に心強い気持ちになりました。看護師さんは病棟で医者よりずっと患者さんに近いところにいて患者さんをよく見ているので、良くなっていく患者さんを近くで見られる喜びは、医者以上に強いに違いありません。うちの病院の看護師さんは認知症の患者さんにすこぶる優しいので、尚のこと。

そして勉強会に飛び入りで参加してくれたケアマネージャーさん、既にコウノメソッドをご存じでした。な~んだ、自分では現場を変えていこうなんて息巻いていたけれど、実際には介護現場のスタッフは医者が変わるのを待っていただけだったんですね。ケアマネさんと今後力を合わせて認知症診療を変えていこうと話をすることが出来たことは、私にとって大きな励みになりました。

これまで「もう打つ手がない、そっと見守りましょう」と言うしかなかった患者さんのご家族にも「希望はあるから一緒にがんばっていきましょう」と言えるのだと思うと、本当に嬉しい…これが本音です。一方で、これまで出会ってきた沢山の認知症患者さんに対しては、もっと早く始めていれば救うことが出来たかもしれない、ご家族との素敵な時間を過ごして頂くことが出来たかもしれない、という申し訳なさも強く感じます。取り返しがつかないからこそ、今後に同じ過ちを繰り返さないという形で償うしかありません。

今の自分が早急にやるべきことは、まだ見ぬ患者さんの著効例を夢見ることではなく、現在私の元に通院したり訪問を受けて下さるかかりつけ患者さんの診療の見直しです。カルテを一冊一冊見直して、あ~でもないこ~でもない、と悩みながら改善を目指します。足元を見つめながら、一歩一歩、『愚直に前進』(河野先生のブログにあり大好きな言葉)で行きたいと思います。泥くさい進歩の足跡は、この病院のブログに綴っていこうと思います。

未熟ではありますが、これからも、どうぞよろしくお願い致します。