何かが動こうとしている手応えを感じました。

4月16日(木)衆議院議員会館において、国会議員(民主党の素交会)向けの勉強会で認知症についてお話する機会を頂きました。昨年10月に医福労連での講演に出席された大畠章宏議員のお声かけによるものです。

議員会館

勉強会では、認知症の基本的な説明に加え、国を動かしている方へのメッセージとして

1)中核薬の増量規定を撤廃する方向に動いて頂きたい。

2)抑制薬を適切に使うことなしに、穏やかに在宅介護を続けることは不可能である。

3)ハード(認知症センター・医療機器)ではなくソフト(適切な診療を出来る医師)を整えることが今後日本がこの危機を乗り越えられるかの分かれ目になる。

という3点を強調しました。

セミナー

中核薬の増量規定というのは、4種類の中核症状改善薬において、製薬会社の添付文書に記載されている通りに機械的に用量を増量させよという規定です。この規定に従わず、低用量の処方を続けた場合には、「レセプトを切られる」と表現されるように保険診療として認められず、医療機関の持ち出しになることもあります。つまり医療者側にペナルティが課される形となるのです。

問題はこの増量規定というのが、認知症の診療現場においてよい診療の妨げになっているという事実です。少量の薬剤であれば改善効果が見られる方でも、機械的に量を増やすことで副作用が前面に出て(手がつけられないほど興奮するようになるなど)全体的に状態が悪化することがしばしばあるのです。そのためコウノメソッドでは『効いたら止めろ』という言葉で、症状が改善したらそれ以上薬を増量せず、よい効果が得られる薬の量を維持することを勧めています。こうした患者さん個々に合わせた適正量の処方が、医師の裁量として許されないことには、認知症による薬害は増えるばかりです。

参加された議員の方々は、こちらの予想以上に関心を持って聞いて下さり、制限時間ギリギリまで質疑応答が続きました。(小宮山泰子議員が当日の様子を取り上げて下さっています。ありがとうございます)そしてこの問題についてはすぐにメスを入れなくては、という前向きな態度で迎えて下さったことをとても嬉しく思います。(帰りの電車の中で、ものすごく緊張していた自分に気がつきました…)今後も実際にこの問題がどう動いて行くのか見守りたいと思います。

ご指導・ご協力を頂いた河野先生、そして必要な情報を送って下さった山岡先生、貴重なチャンスを下さった大畠議員に心より感謝を申し上げます。