笠間にまたまた強力な仲間を発見です。

70歳台後半の女性。今年の3月に初めて物忘れ外来にかかり、アルツハイマー型認知症と診断しました。物盗られ妄想や不眠などの陽性症状が前面に出ているようです。前医ではレミニール24mg (朝夕12mgずつ)が処方されていましたが、弱興奮性であるレミニールを当面は8mg (朝夕4mgずつ)に減量し、抑制薬であるウィンタミン 朝4mg, 夕6mg を追加しました。(アルツハイマーと言いながら処方はピック的。)

1ヶ月後の診察では、ご主人が「物盗られ妄想が少し落ち着いてきた。夜もよく眠れている。」と喜んでいました。しかし薬の話になった時に、

「お薬はお父さんが見守ってくれているんですね。」

という私の言葉に対して

「自分で出来ています。夫は関係ありません!」

と語気強く言ったのが印象的でした。(この時点でもう少しウィンタミンを増量してもよかった?)

5月の診察室ではあまり変化なしということで同様の処方を行ったのですが、状況はひっそりと思わしくない方向に進んでいたようで。それを教えてくれたのは、なんとフローラ薬局友部(院外薬局)の薬剤師さんでした。

彼女は以前は数日おき(そんなに?!)、最近も1~2週間に一度自宅を訪問していたそうです。今回もそろそろ薬がなくなる頃だからと自宅に電話をしたところ、

「薬はまだ残っているから、来ないでいいよ。」

と言われ、薬を飲めていないのではないかと相談の連絡をくれたという訳です。

彼女の話によれば、少し前から夫が1日おきに仕事に行くようになったとのこと。(それまでは週1回程度)内服を見守ってくれる夫がいなくなったことで、薬をあまり飲まなくなったと言うのが実情。さぁどうするか?薬剤師さんと相談し、処方を最低限必要な薬に絞り、夫が家にいられる夕方に重点を置いた処方に変更する作戦を立てました。

薬剤師さんが教えてくれなければ、私が家庭の詳しい実情を知ることはありませんでした。薬をとっかかりとしながらもそこに留まらず、家庭内の細かい状況まで把握して医療につないで下さった薬剤師さん、本当に素敵です。今後の作戦まで一緒に考えてくれる援軍を得たことに、ただただ驚きと感謝です。それぞれが現場でベストを尽くすことは当然ですが、お互いが‘つながる’とことの大切さも思い知りました。フローラ薬局のサルタさん、ありがとうございます。これからもお力をお貸し下さい。

写真は当院が誇るスーパー薬剤師、松本さんです。私よりもコウノメソッドに詳しく、非常に頼りになる存在です。

松本さん