昨年お仕事がらみでさんざんお世話になった他業種の方から、こんなことを言われました。

「行動が本音ですから。」

言葉でうまく取り繕ったり、相手のことを思っている素振りを見せることは出来る。でもその人の真意は、必ず行動に表れると。

その方は自分の職種内容についてそんな風に表現したのです(この方の仕事ぶりは誠実で本当に頭が下がります)が、この言葉が、思った以上に時間を置いて心に響いてきました。静かな湖に投げた小さな石のように、水面に大きな波紋が広がったのです。

波紋

例えば通常業務が忙しくて時間に終わらない時に認知症のSOSコールが入る。こちらも正直いっぱいいっぱいでこれ以上の仕事の追加はどう考えても無理!予約ではないし、そもそも来られた時間も他の業務に当たっているので、杓子定規に断ったとしても非難はされないかもしれない。向こうも「無理を承知で」とお願いしているから。でもね。そこにはやはり、無理を承知でお願いせざるを得ない、切実な状況があるのだと思います。

そのお願いを一度は断って仕事をしている私の耳元で、‘あの言葉’が。

「行動が本音。行動が本音。行動が本音…。」

もう呪いの言葉みたいなものです(笑)自分は認知症患者さんの状態を良くするためにと講演などで話をしています。困った時には力になりますよ、ぜひ声をかけて下さい、そんな風に‘耳触りがよいこと’を言っておきながら、いざよくよく困って藁にもすがる思いでお願いした時に、断っちゃうの??そう自問すると、やっぱり何かアクションを起こさざるを得ない。どうしても診察という形で対応できなかったとしても、電話で状況を聞くことは出来るし、既に出してもらっている薬の用量調整で何とか困った状況を乗り越えられないかアドバイスすることは出来る。結果的に、その方は薬を増量することで何とか落ち着きました。

そんな訳で、昨年に引き続き今年も、座右の銘は『行動が本音』です。自分の行いは、自分の言っていることに一致しているか、常に自問する。人間が未熟で時にあっち行ったりこっち行ったりしながらも、正しい方向へ行動を修正していこうと思います。