そう見えないと言われることもありますが、かなりの小心者です。(繊細そうに…見えませんか?)昔から、テスト直前には不安な気持ちが異常に強くなり、一夜漬けとかは絶対に無理。クラスメイトが1週間前から準備するなら2週間3週間前からやらないと失敗する不器用なタイプです。ですから新しいことを学んで種をまいたり、ワークで自分の立ち位置や方向性を俯瞰したり、講演活動で人との出会いを広げていくという「本質的で大切だけれど時間がかかること」は直前の自分の精神状態では難しくなると確信し、余裕がある時に存分にやってきました。

開業3-4か月前になろうという時、業者さんとの打ち合わせでスケジュールが埋まってくると不安で胸がざわざわとしてきたのです。「その時が来た…!」と思いました。テスト直前モードです。ここからの自分には、クリエイティブな発想の広がりはまったくもって期待できません(笑)淡々と申し送りを作成したりという事務作業のみ。こればっかりはそれぞれの器というかキャパシティがあるので、他人と比較せず自分のペースで確実に進めていこうと言い聞かせました。
業者さんとの打ち合わせは本当に多種に及びました。銀行・設計・建築・電子カルテ・予約システム・医療機器・ネット配線などなど。職種によって醸し出す雰囲気や世界観が違って、人間観察の場としては面白いのですが。平日夜や週末の予定はこの打ち合わせでどんどん埋まっていきます。
経験して初めて知ったのは「よくわからないのに決断しなくてはいけないことばかり」であることの精神的しんどさ。お金のこと、建築や内装のこと、システムのこと。どれも専門外で知識が圧倒的に乏しいです。もちろん不明点を質問したり一通りの説明を受けるのですが、ここだけの話、わかったようなわからないような。その場では保留にして自分なりに調べたり人に聞いたりした上で時間をおいて寝かせて熟慮して・・・としたい所ですが、あまりにも次から次へとそのような「先生、早く決断を!」という事項が次から次へと襲ってきて、しまいには混乱して何が何だかわからなくなり。
7月下旬頃には、新クリニックに一緒に移って下さる患者さんの医学的な情報をまとめる(サマリーといいます)という作業もクライマックスを迎え、疲労はいよいよピークに。紹介を希望された方は、最終的には500名を越えました。寝不足で頭がボーッとしたまま道を歩いていて、穴があいたマンホールに膝まで落ちるというマンホール事件が起きたのもこの頃です。(次なる被害者が出ないよう、すぐに穴は塞いで頂きました)

書類 書類2
この時期は、持病のアトピー性皮膚炎も一時的に悪化しました。私のアトピー史における3大悪化要因は「汗をかく夏・疲労・睡眠不足」ですが、見事に3拍子そろってしまいました。これまで悪化したのは医学部入学後の最初の試験と医師国家試験の時だったので「私、国家試験を受けるくらいの気合いで開業に向かっているのか。よしよし!」と無理やりのポジティブ解釈。
外来で患者さんに「先生、ずいぶんお疲れみたいですけれど、無理しないで下さいね。」と心配されたのをきっかけに(患者さんに心配される医者はやっぱりダメでしょう)2日間は爆睡し、体力回復に努めたのでした。