誇れるような健康的な生活をしていませんが、10年前から実行している健康法を紹介させて頂きます。
それが、‘パワーナップ’。一言で言えば、昼に15~20分とる仮眠です。そんな言葉を知らなかった10年前から、昼の仮眠を習慣としてきました。笠間市立病院の医局では、私だけではなく他の多くの先生も同じように机につっぷして仮眠をとっていたのを覚えています。最近『パワーナップ仮眠法』という本を読んで、自分がしていたことは間違っていなかったんだ♪と嬉しくなりました。
たかが昼寝とあなどるなかれ、です。正しくとる仮眠は、パワーナップという名前の通り、ものすごいパワーを与えてくれるのです。
人間は半概日性リズム(サーカセミディアンリズム)という自然のリズムにより、午後2-4時に眠くなる生き物です。昼の仮眠は夜の睡眠の3倍の効果があると言われており、短時間で脳や体の疲労を回復させ、午後の脳の働きを高めてくれることがわかっています。ある研究では認知能力が34%アップ, 注意力は54%もアップすると言われています。これはスゴいことです。コストがかからずすぐに出来て、仕事や勉強の効率をここまで劇的に上げてくれる習慣は、あまりないのでは。
脳の働きがよくなるばかりではないのです。パワーナップの習慣がある人は、ない人に比べて心臓病死のリスクが37%低下するんだそうで。他にHT, 脳梗塞, 糖尿病、認知症の予防効果もあると言われており、血管を若々しく保つ意味でもパワーナップは効果的です。もうやるしかないと思いませんか?
いたってシンプルな習慣ですが、いくつかのコツがあります。まず、寝るのは15-20分間で、30分以上寝ないということ。長時間寝てしまうと深い段階の眠りに入ってしまい、その後も頭がすっきり覚醒せず、眠けや疲労感が残ってしまうのです。
もう一つのコツは、仮眠前にカフェインをとること。カフェインは30-60分かけて覚醒効果を発揮するので寝る前に飲んでおくとすっきりと目が覚めるという訳です。横にならずに机につっぷすなど座位を保つことが勧められています。(私は内視鏡用のベッドで寝ていますが)うちのクリニックでは開院と同時にネスカフェアンバサダーのコーヒーメーカーを導入し、食後のコーヒーを楽しんだ後でおもむろにパワーナップタイムに入っています。

コーヒーメーカー
その健康効果から、GoogleやマイクロソフトなどのIT企業、NASAや米国海兵隊などでも導入されているほどですから、もうやるしかない!と思いませんか。注意力低下からくるミスが大きな問題となる医療機関などでは、絶対に採用すべき習慣だと思います。
この普及を阻むものがあるとすれば、「職場は働くもの。机で寝るなんて…」というのび太を見るような冷たい視線でしょうか。上司がそんな旧態依然とした価値観を持っている場合には、部下は職場でのびのびと仮眠をとることが出来ません。ここは一つ、管理者にしっかり啓蒙活動を行い、管理者自らパワーナップをとってもらうのが普及の早道では、と思っています。パワーナップ推進委員会の会員として(そんなものはありませんが)この素晴らしい習慣を日本でも早急に広めていこうと思います。