9月28日(木)水戸の北水会病院あかつきホールで行われた、VR体験会に参加させて頂きました。

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VRとはバーチャルリアリティの略で、スマートフォンを装着した特殊なゴーグルをつけることで、認知症患者さん本人が見ている世界を再現しようという試みです。テレビなどのメディアで取り上げられているせいか、周囲の人に話をして、その知名度の高さに逆に驚きました。クリニック開院にあたり大変お世話になった下河原さんが立役者であることもあり、一度は体験してみたいと思っていました。

実際に参加した感想はというと…「知っているのとやるのは大違い」でした!!

つくづく頭でっかちになってはいけないと思います。想像できる中でも指折りの恐ろしい体験を「大丈夫 大丈夫!」と笑顔で強いられることの恐怖感。今どの辺にいるかは聞くことができても「私はどこで降りればいいんですか?」と他人に聞くのはかなりの勇気がいるんだな…とか。「リアルに見えているのにそれが自分だけかもしれない」と思う事実は、なんとも言えない孤立感だな(あなたの知らない世界そのものでした…)など。実際にその場に立たなくては湧きあがらない感情があります。最後には大きく心を揺さぶられました。

真実って何なのだろう?とも思いました。「本当は虫なんていないから大丈夫。」という本人への助言が、時に本人にとってまったく助けにならないことも実感としてわかりました。

明日からは、Hさんの幻視の話を聞いて薬剤リストを挙げるだけでなく(職業柄そういう頭ももちろん必須)少しだけHさんのVRゴーグルを借りて、彼にとっての真実を覗いてみる。こんなに怖がっているHさんの目には、何が見えているのかなと。この ‘自分に置きかえてみる’という視点が、体験会で得た最大の収穫でした。

下河原さん、そして環境をセッティングして下さった皆さん、本当に貴重な体験をありがとうございました。

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おまけ)

レビー小体型のリアルな幻視は後頭葉の血流低下に起因すると言われています。刃物を持った怖い人や虫など、ネガティブな幻視が圧倒的に多いのはなぜ?漠然とした不安の投影?これがいいポジティブな幻視だったら…壇蜜と石原さとみがいつも隣りにいる…なんていう男性にとっては夢のような幻視にかわり、お願いだからこの幻視を消さないでくれと診察室で懇願されるようになるのかな、などとくだらないことを考えていました。