3)女性は鉄!

本来病気も少なく元気であるはずの若い女性が、げっそり疲れて辛そうなことが多いな…と外来で感じていました。

「気持ちが落ち込んで涙が出たり、イライラして夫や子供にあたってしまうんです…。」と相談をされることも。

多くの場合、一般的な健診では貧血もなく「異常なし」と言われてしまうことも多いのです。

 

□なんとなく体がだるい。やる気が出ない。

□夕方になると頭がボーっとして思考がまとまらない。

□慢性的に頭痛や肩こりがする。

□気持ちがイライラして、身近な人にあたってしまう。

□気持ちが落ち込みやすい。

□不安が強く、パニックになってしまう。

 

 実はこれらすべて、鉄不足の症状です!

先ほど説明したエネルギーを生み出す回路の中で、主に電子伝達系という回路には、鉄が不可欠です。材料不足では、いくら食事をとってもうまく回路が回せず、食べても食べてもエネルギーが生み出せない…エネルギー不足の状態となります。タンパク不足と同様「もっともっと!」と体が要求し、甘い物もやめられません。気持ちを穏やかに保ち‘幸せホルモン’のセロトニンも、材料で鉄が使われるため、気持ちが落ち込みがちになります。

  • フェリチンの見方

体に鉄が足りているかどうかは、血液検査で「フェリチン」という数値を測ると推測できます。女性ではフェリチン100以上が「不足がなく元気に生活できる合格ライン」と言われています。

フェリチン 50-100 軽度鉄不足

      30-50  中等度鉄不足

      30以下 重度鉄不足

 

ある統計では、日本の20-50歳の女性でフェリチン100を超えていた人は全体のたったの2%!!! 例外的な一握りの人以外は、ほとんど全員が鉄不足であることがわかっています。そればかりでなく全体の8割が30以下の「重度の鉄不足」なのです。

この年代の女性は生理で定期的に血液を失いますし、1回の出産で赤ちゃんに50の貯蔵鉄(フェリチン)を渡すと言われていますので、何度も出産をしたお母さんほど、鉄不足が深刻になっていくという訳です。「産後うつ」と呼ばれる状態も、鉄不足が大きく影を落としています。(つまり鉄を補えば治るということ)

 

  • 男子だから安心、でもない!!

 自分は男性だから、うちの子は男子だから大丈夫!と安心してはいられません。男性は、本来鉄不足になりにくい反面、鉄不足になった場合の症状は、女性以上に深刻です。男性はフェリチン200以上が正常で、男性の50は女性の10以下に匹敵する深刻さだと思って下さい。

お母さんが鉄不足の状態で出産すると、赤ちゃんに本来渡してあげるべき鉄が渡されず、生まれた子供も鉄不足となります。赤ちゃんの頃の鉄不足は、脳神経系の発達に大きく影響を与え、ADHD(発達障害)、LD(学習障害)の原因となると言われています。もしお子さんがそのような状態にあるという場合には、早急にフェリチンをチェックし、鉄を補ってあげることを強くお勧めします